南の島のめいりん 1995

島を訪れるのは約半年ぶり。到着するなりめいりんを探した。

「犬は3日飼うと恩を忘れないが、猫は3日で忘れる」なんて言うけれど、 今まで1、2週間留守にしたくらいでは、私のことを忘れていないばかりか、 帰ってくると「どこ行ってたの、さびしかったよ」というように甘えてきた。 今回はちょっと長いなぁ、ぐらいに思いながら、まだ私が帰ってくると思って待っているだろうか。 今までと同じようになついてくれるだろうか。 いた!庭のすみに、物思いにふけるように座っている彼女の後姿が見えた。 「みゃ〜」と呼んで見る。するとめいりんは振りかえり、「みゃ〜」と答え、駆け寄ってきた。 そして私の足にまとわり付くようにしてついてくる。 コテージのドアをあけると、当然のようにするりと部屋に入った。 今回滞在するのは、私とめいりんがかつて住んでいたのとは違うコテージだ。 それでも私の行くところについてくるのだから、 「犬は人につき、猫は家につく」というのも正しくない。 猫に関することわざは実に信用できないことがわかった。

大家さんの奥さんが言う。
「彼女は人間の言葉がわかるのよ!電話をもらったとき、 私が彼女にもうすぐマミーが来るからね、って言ったら、毎日門のほうをじっと見てすわっているんだもの」
もし本当に言葉がわかるとしたら、めいりんは日本語、英語、ビコール語の3言語を理解するお利口さんだ。

それから数日間、めいりんはほとんどの時間を私の膝の上ですごし、私の腕枕で一緒に眠った。別れるときはまた泣いてしまった。

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