島を訪れるのは約半年ぶり。到着するなりめいりんを探した。
「犬は3日飼うと恩を忘れないが、猫は3日で忘れる」なんて言うけれど、
今まで1、2週間留守にしたくらいでは、私のことを忘れていないばかりか、
帰ってくると「どこ行ってたの、さびしかったよ」というように甘えてきた。
今回はちょっと長いなぁ、ぐらいに思いながら、まだ私が帰ってくると思って待っているだろうか。
今までと同じようになついてくれるだろうか。
いた!庭のすみに、物思いにふけるように座っている彼女の後姿が見えた。
「みゃ〜」と呼んで見る。するとめいりんは振りかえり、「みゃ〜」と答え、駆け寄ってきた。
そして私の足にまとわり付くようにしてついてくる。
コテージのドアをあけると、当然のようにするりと部屋に入った。
今回滞在するのは、私とめいりんがかつて住んでいたのとは違うコテージだ。
それでも私の行くところについてくるのだから、
「犬は人につき、猫は家につく」というのも正しくない。
猫に関することわざは実に信用できないことがわかった。
大家さんの奥さんが言う。
「彼女は人間の言葉がわかるのよ!電話をもらったとき、
私が彼女にもうすぐマミーが来るからね、って言ったら、毎日門のほうをじっと見てすわっているんだもの」
もし本当に言葉がわかるとしたら、めいりんは日本語、英語、ビコール語の3言語を理解するお利口さんだ。
それから数日間、めいりんはほとんどの時間を私の膝の上ですごし、私の腕枕で一緒に眠った。別れるときはまた泣いてしまった。
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